病気となかよし
この本は神経症の持病をもつご主人と結婚した大原由軌子さんの本です。普通
ならなかなか難しい状況であると思われるのに、漫画になっているということと、大原さんがユーモアで日常を書いているので 、ちっとも重く感じられません。ここの話はすべて事実らしいので、ふつうの人なら、「えぇ~!」となるはずなのですが、むしろ笑ってしまえる日常生活です。ご主人はパニック障害をたびたび起こし、強迫神経症の症状もあるようです。パニック障害は、めまいやしびれ、動悸などを感じたり、死ぬのではないかという不安と恐怖におそわれる。また、強迫神経症は、鍵を閉めたか、電気は消したか、とか、何回も確認しないと不安になってしまう症状があるのが特徴です。でもこのご主人がなかなかおもしろい。病気で膝を抱えて部屋のすみっこにいるっていうタイプではなく、むしろ正反対。飲みにいっても、なぜか人と仲良くなれてしまい、子供からも慕われるという個性の持ち主。また、ある部分では天才的なデータベースをもっているようなところもある。そして超きれい好きの片付け魔。ご主人は主夫をしているのですが、この超人的な部分が家事に活かされています(笑)。
指が汚れるからとポテトチップスさえお箸で食べるとか、物はびし~っとそろってないと落ち着かないとか。そんなことさえ、さらっと笑わせてくれます。神経症を患っている人にしてみれば、それはとっても厳しいことで、それを抑えるために薬を必要とするわけなのですけれど、そういうことをあまりご存じない方がこの本を見るとある意味誤解してしまうかもしれませんね。このご夫婦のコンビだからなのでしょうけれど、病気と仲良くするという見本かもしれません。文庫本なので一気に読んでしまえるし、お薦めです。
どんな病気でも眉間にしわをよせて、「さあ、戦うぞ!」というスタンスよりも、むしろ「仲良くやっていきましょう」という方がうまくいっているケースはずいぶん聞きます。現実にはなかなか難しいかもしれませんが、前にも書いたように、病気からご本人やご家族が学ぶことも多いのだと思います。
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